車の購入を考えている方のなかには、輸入車の購入を考えている方もいるのではないでしょうか。しかし、輸入車には正規輸入車だけでなく、並行輸入車と呼ばれるものも存在します。この記事では、正規輸入車と並行輸入車の異なる点やメリット、デメリットを解説します。ぜひ輸入車を選ぶ際の参考にしてください。
並行輸入車とは?どんな車があるのか
正規輸入車と並行輸入車では、意味合いだけでなく、実際に購入できる車の種類も異なります。ここでは、並行輸入車の特徴を紹介します。
正規輸入車と並行輸入車は何が違うのか
正規輸入車は、公式の販売店が海外の自動車製造業者と直接交渉し、車両を入手する権限を持っているという意味です。
正規輸入車は通常、正規販売店によって販売されます。
一方、並行輸入車とは、正式な業者によって輸入されたものではなく、外国の販売店または個人から直接購入した車両を日本に輸入し、販売するものを指します。
このような手段を取るのは、日本で正式に販売されていない特定の車種や、一部のグレードや仕様の車両を自分で輸入し、販売可能にするためです。
並行輸入車の種類
国内では販売されていない国産メーカーの車、トヨタのタンドラなどの大型ピックアップトラックや、国内で展開していない日本車の高級ブランドであるホンダのアキュラやニッサンのインフィニティなどがあります。
さらには、日本から撤退してしまったフォードやクライスラーなどのブランドの車も、並行輸入を通じて手に入れることが可能です。
また、日本ではあまり知られていない国の車、たとえばチェコのシュコダやルーマニアのダチア、ロシアのUAZ、中国の紅旗など、日本で馴染みのないブランドの車も含まれています。
並行輸入車のメリット
並行輸入車には正規輸入車と比べて、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、並行輸入車を購入するメリットを3つ紹介します。
珍しい車に乗れる
並行輸入車は、たとえば、日本では正規ディーラーを持たないシュコダやダチア、または日本市場から撤退したフォードやクライスラーのような車も手に入れられます。
日本では取り扱いがない車なので、一般的な車にはない魅力を持っています。
好みの仕様の車種を選べる
海外仕様の車種を手に入れることも可能です。日本国内で流通している車とは異なる、たとえば、スポーツカーではない車の2ドアモデルやMTモデルなどを選べます。
これらの仕様は、日本では少ない需要から正規輸入されることはほとんどありません。そのため、自分の好みに合わせて特殊な仕様の車を選ぶことができるのも、並行輸入車の大きなメリットの一つです。
コストを抑えられる可能性がある
並行輸入車の価格は円高時に購入することで、コストを抑えられます。
円が強いとき、つまり為替レートが円に有利なときに購入すれば、例えばアメリカの車を比較的安価に手に入れることが可能です。
並行輸入車のデメリット
自動車の選択肢として並行輸入車があることは前述の通りですが、
一方で並行輸入車には確かなデメリットも存在します。ここでは、並行輸入車を購入するデメリットを2つ紹介します。
信頼性の低下
一つ目のデメリットは信頼性の問題です。
正規輸入車の場合、輸入元やメーカー保証がはっきりと明記されていますが、並行輸入車ではその情報が不足していることが多く、信頼性が低下します。
自動車保険の観点からも大きな問題で、並行輸入車の保険加入を制限している会社があるだけでなく、加入可能でも保険料が正規輸入車に比べて高くなる傾向があります。
購入にコストがかかる
購入コストも大きなデメリットです。
並行輸入車の購入には、車両価格に加えて、輸送費や日本の安全基準への改造費用などが必要となります。
費用を考慮すると、最終的には正規輸入車よりも高いコストがかかる可能性があります。
メンテナンスに手間がかかる
また、メンテナンスの難易度も考慮すべきデメリットと言えます。
並行輸入車の部品は正規販売店で取り扱っていない場合が多いため、修理や部品交換が必要になった際に時間とコストがかさむ可能性があります。
リセールバリューが低い可能性がある
最後に、リセールバリューの低さも大きな懸念点となります。
並行輸入車は任意の自動車保険に入りづらく、またメンテナンスにお金がかかるため、再販価格は一般的に低くなります。
とくに日本ではあまり知られていない車種は、次のオーナーを見つけるのが難しく、下取り価格や買取価格も低くなりがちです。
ただし、希少性が高い車種や特定のファン層が存在する車種の場合、リセールバリューが高くなる可能性もあります。
まとめ
並行輸入車とは、公式ルートを経由せずに直接海外から取り寄せられた自動車のことを指します。並行輸入車には、日本で正規販売されていないモデルや仕様が含まれます。その魅力は、日本では見つけることの難しい独特のモデルやグレードを獲得できること、そして為替の影響で価格が変動し、円高の時期には正規輸入車よりもお得になる可能性があることです。ただし、一方でデメリットも認識しておく必要があります。信頼性に関連した問題から、保険の加入が難しかったり保険料が高くなったりすること、車両の輸送費や改造にかかる費用、部品の取り替えが困難であること、そして再販価格が低い可能性があることなどが挙げられます。そのため、並行輸入車を選ぶ際には、自身の生活スタイルや予算をしっかりと考慮し、慎重に選択することが重要です。