ハイブリッド車は、環境負荷が少なく燃費もいい車として、多くのカーユーザーから選ばれています。しかし、ハイブリッド車がどのような仕組みで動いているのか知らない人も少なくないでしょう。そこで本記事では、ハイブリッド車の普及率や仕組みなどを深掘りして解説します。本記事を読んで、ぜひ新車購入時の選択肢を増やしてみてください。
ハイブリッド車の普及率・仕組み
ハイブリッド車(HEV)は、ガソリンエンジンと電気モーターという2つの動力源を組み合わせ、走行状況に応じて使い分けることで高効率な走行を可能にした自動車です。1997年に日本で登場した初代プリウスを皮切りに急速に普及し、2022年には新車販売台数全体の約49%を占め、ガソリン車の42%を上回るまでになりました。日本特有の信号や渋滞などストップ&ゴーが多い交通事情や、環境意識の高まり、政府の補助金制度も普及を後押しした要因です。
HEVの仕組みは大きく「シリーズ式」「パラレル式」「シリーズ・パラレル式」の3つに分類されます。シリーズ式はエンジンを発電専用とし、モーターのみで駆動する構造です。パラレル式はエンジンが主役で、加速時など燃費が悪化する場面をモーターが補助する方式になります。シリーズ・パラレル式は両方の特性を兼ね備え、発進や低速走行はモーター、高速ではエンジンを効率的に使い分けます。ハイブリッド車はガソリン車に比べて燃費性能に優れるだけでなく、環境規制への対応や快適性の面でも進化しており、多くの車種でハイブリッドモデルが選ばれるようになっています。
新車購入でハイブリッド車を選ぶメリット
ハイブリッド車は、燃費性能の高さを筆頭に多くのメリットがあり、多くのドライバーから支持を集めています。
燃料代を節約できる
エンジンとモーターを組み合わせて駆動する仕組みにより、ガソリン価格が高騰している昨今では、燃料代を大幅に節約できる点が魅力です。車両価格はガソリン車より高めに設定されていることが多いですが、長距離走行や日常的な利用頻度が高いユーザーにとっては燃料費の削減分で十分に元が取れるケースも多いです。
給油の手間が減る
また、燃料消費が少なく給油の回数も減るため、ユーザーにとって日常的な手間も軽減されます。
税制面の優遇がある
税制面でもメリットは大きく、エコカー減税により自動車重量税が免税・軽減されるほか、環境性能に応じて環境性能割で取得税が優遇されます。さらに、自動車税や軽自動車税の軽減を受けられるグリーン化特例も存在します。
エンジン寿命が長い
性能面では、モーターのアシストによってエンジンにかかる負担が軽減されるため、エンジンの劣化が抑えられます。結果として、ガソリン車よりもエンジンの寿命が長くなる傾向があります。
走行音が静か
また、走行音も非常に静かで、発進時や低速走行時にはモーターのみで動作するため早朝や深夜でも騒音を気にせず利用できます。
環境負荷が少ない
環境面でも、モーター走行時にはCO₂排出を抑えられるため、温室効果ガス削減に貢献できます。環境性能に優れていることから減税や免税の対象になりやすく、環境にやさしい車として社会的評価も高いです。
新車購入でハイブリッド車を選ぶデメリット
ハイブリッド車は燃費性能や環境性能に優れる一方で、いくつかのデメリットも存在します。
車両価格の高さ
まず、最大のデメリットとして挙げられるのが車両本体価格の高さです。ガソリン車に比べて初期費用が高めに設定されており、補助金や減税措置があるとはいえ、購入時に費用面で負担を感じる人も少なくありません。ただし、年間走行距離が長い場合には燃料代の節約分で十分に元を取れる可能性があるため、利用頻度を考慮したうえで検討することが重要です。
バッテリー交換コストがかかる
次に、駆動用メインバッテリーや補機用バッテリーの劣化による交換コストもデメリットの一つです。とくに駆動用バッテリーは高額で、初年度登録から5年、または10万km程度が交換目安とされています。長期間走行しないことで補機バッテリーが上がるリスクもあり、定期的に車を動かす必要があります。
歩行者が気付きにくい
加えて、ハイブリッド車はモーター走行中の静音性が高いため、歩行者が車に気づきにくく事故リスクが増す恐れがあります。しかし、近年では車両接近通報装置の搭載により一定の対策が取られています。
社内がやや狭い
さらに、モーターやバッテリーなどの搭載スペースを確保するため、車内空間がガソリン車に比べてやや狭くなる傾向があります。しかし、近年はデッドスペースを活用して、車内の広さを確保する工夫がなされています。
燃費が走行環境に左右される
最後に、走行環境によって燃費効率に差が出る点も見逃せません。ハイブリッド車はストップ&ゴーが多い市街地走行では高燃費性能を発揮しますが、高速道路や山間部など信号や停車が少なく、一定速度で走行し続ける環境ではガソリン車との差が小さくなる場合があります。
まとめ
ハイブリッド車は、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた高効率な走行性能により、環境にやさしく燃費も優れている点から多くのドライバーに選ばれています。日本の交通事情や環境意識の高まり、政府の補助制度などを追い風に、2022年には新車販売の約49%を占めるまでに普及しました。給油頻度が減ることで手間が省け、静粛性の高さやエンジン寿命の長さといったメリットも魅力です。一方で、車両価格の高さやバッテリー交換費用、走行環境による燃費効率の変動などデメリットもあります。自分の走行環境や利用頻度を踏まえて選ぶことで、経済性と環境性能を両立したカーライフを実現できます。ハイブリッド車の特徴を理解して、次の愛車選びにぜひ役立ててください。





